お知らせ

2025年02月14日

真実の忍者を知る旅

2024年11月25日(月)から27日(水)の3日間、「忍者の真実を知る旅」のプログラム開発に向け、モニターツアーを実施しました。
 なお、本事業は、文化庁が募集した、日本遺産における魅力増進モデル事業の一環として実施するものです。

■モデル事業の背景・ストーリー
 忍者は現在、世界的に広く知られる存在となっています。しかし、多くの場合、その認知はエンターテインメントやキャラクターとしての側面に限られ、忍者の本質や歴史、精神性については十分に理解されていないのが現状です。
 伊賀や甲賀は「忍者の里」として知られる地域ですが、国際的には忍者の歴史や文化が根付いた地域としての認知は十分に浸透していません。一方で、近年ではインバウンド(訪日外国人観光客)の増加や日本文化への関心の高まりを背景に、忍者というテーマに対する注目がますます高まっています。
 こうした状況の中、エンターテインメント要素としての忍者の魅力を活かしつつ、歴史的背景や精神性、生き方といった忍者の本質を探求し、それを現代社会において活用する取り組みが重要と考え、伊賀・甲賀を「忍者の聖地」として国内外に認知させ、そのブランド価値を確立することを目指すべく、忍者の真実を知るプログラムを開発し、その実証実験としてモニターツアーを実施しました。
 このツアーは、地域の文化的魅力を体感し、忍者の歴史や本質に触れる場を提供することを目的とし、今後も忍者を核とした地域活性化を進めることで、観光振興や地域経済の発展に寄与することを期待するものです。

■モニターツアーの概要
 本ツアーでは、以下のプログラムを軸に実施しました。

  • 現代において「忍者」と呼ばれる人々の当時の生活を追体験することを通じ、忍術や忍具がどのように使われていたのかを知り、忍者の真実に迫る
  • 伊賀・甲賀地域の伝統や暮らし・食文化を取り入れ、地域全体の魅力を体感する
  • 構成文化財を活用した特別な体験プログラムを取り入れ、海外の富裕層にも満足いただける高付加価値な旅行商品とする

 ■実施内容
<初日>11月25日(月)

【9:00:お出迎え】京都駅
モニターの4名を京都駅でお出迎え。最初のコンテンツ開催の場所となる庚申山(甲賀市)へは車で約40分の移動。移動中の車内では、本ツアーに同行するナビゲーターにより、「忍者の真実を知る旅」の概要に関する説明が日本語と英語で行われます。

 
【10:00:グリーティング】甲賀市 庚申山広徳寺
甲賀市に入り庚申山広徳寺に到着すると、甲冑姿の武士の出迎えを受ける。甲賀忍者は元来、武士の姿をしていたことを知ったモニターは、本殿にて旅の祈願を終えた後、今回のツアー用に特別に制作された作務衣に着替える。展望台に移動し、山々に囲まれた甲賀の町を一望しながら、この地で忍者が生まれた背景や、甲賀忍者と伊賀忍者の違いなどのレクチャーを受けた後、甲賀武士からこのツアーでのミッションが言い渡される。
そのミッションとは、「明日の夜に伊賀の忍者屋敷に潜入し、屋敷内のどこかに隠された巻物を敵に見つからず探し出し、持ち帰って殿様に報告する」というものであった。モニターは、武士から一つ目の修行として、精神統一のための呼吸法を教わったのち、次の修行場所の指示を受けるのであった。

 
■ BEAMS JAPAN監修修行着セット
各種体験時に着用する修行着は、今回のモデル事業の一環として㈱ビームスクリエイティブが企画・開発しました。

セット内容

  • 松阪木綿 作務衣:<御絲織物>の藍染生地を使用し、オリジナルデザインで製作
  • 伊賀組紐装飾 ファンクショナル ポケットTシャツ:ポケット上部を松島組紐店の笹波組の平紐で装飾
  • 伊賀組紐ポーチ:ボディは、<前沢組紐店>の組紐生地を、ショルダーストラップには<松島組紐店>の化繊組紐を採用
  • MOONSTAR特注じかたびスニーカー:MOONSTARのロングセラー作業靴「大安吉日」をベースに伊賀組紐によるフロントに二重叶結びタッセルの縫い付けと、ヒールカウンターに笹波組の平紐を縫い付けた特別仕様
  • 松阪木綿 巾着:作務衣と同布の<御絲織物>の藍染生地で製作


 

 
【忍者修行(草鞋づくり・昼食・陰忍修行):12:00〜16:00】伊賀市内 民泊施設うぶすな
モニターが指示された場所に行くと、一人の農民姿の男に出迎えられる。
男に指示されるまま、天秤棒や蒔割り、草鞋づくりなど一見すると忍者とは無関係な農作業の体験をした後、昼食は自分達で自炊した伊賀米のおにぎりと伊賀産物の一汁一菜をいただくことに。
午後からは、実は忍術の師範であったその男の道場で、忍者の歩行、隠れ身、捕縛などの本格的な忍術(陰忍)の実践を体験する。ここでモニターは、午前中の農作業の動きが忍者の動きそのものである事に気づくのであった。

 
【16:30:ホテルチェックイン】伊賀市 NIPPONIA HOTEL 伊賀上野 城下町  旧野崎邸
“うぶすな”での修行の後、宿泊先となるホテルへ向かい、チェックイン。伊賀の城下町に点在する分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 伊賀上野 城下町  旧野崎邸」は元は武家屋敷で回遊式庭園を備えた5,100㎡の敷地に蔵を活用したサウナも完備。1日目最後となる特別体験(キャッスルダイニング)までの間、しばらくホテルで休息を。

 

 
【18:00:キャッスルダイニング】伊賀市 伊賀上野城天守閣広場
ディナーは伊賀上野城へ。まずは、天守の雄大さを眺めることができる筒井天守跡でアペリティフを楽しむ。その後、天守前の広場に移動すると、そこに準備されたテーブルは、特別に用意された天守を間近に眺める場所。伊賀牛や伊賀米などの伊賀産の食材を使用していることはもちろん、忍者にちなんだ色や盛り付けで、屋外での特別ディナーを満喫するモニター。食事を終えホテルに戻り初日は終了。

 <2日目>11月26日(火)
 
【10:00:薬草採取と調合】甲賀市 みなくちこどもの森
朝食を終えたモニターが、甲賀市内に向かうとそこには野良着姿の女性が待っていた。甲賀では薬草を摘み、作った薬を諸国に売り歩くことで、その土地の情報を持ち帰った経緯がある。その歴史を辿りつつ、実際に薬草の採取と調合を体験。薬草の効能などの説明を受け、日々の暮らしにとり入れるノウハウに、モニターからは感嘆の声が。

 
【12:00:昼食】甲賀市 錦茶屋
モニターは次の予定地に向かう途中、薬膳料理で人気の甲賀の日本料理店で昼食を。先の薬草の採取と調合、ハーブティーでの試飲に続き、美容や食欲増進、疲労回復などの効能を、引き続き食で体験する。

 

 
【13:45:祈祷・作戦会議】甲賀市 油日神社
油日神社は多くの忍者が任務の安全を願って祈ったとされる場所。建物は戦国時代に建立されたと伝わっている。テレビや映画のロケ地としても活用されるだけあって、その世界観は圧倒的。
宮司による特別参拝を体験したモニターは、その後、神社内の屋敷内で甲賀忍者から今夜の潜入ミッションに関する作戦を聞く。

 

 
【17:35:潜入ミッション】伊賀市 伊賀流忍者博物館
モニターは、忍者装束に着替え“うぶすな”で作った草鞋を履き、隠された巻物を見つけ持ち帰るため屋敷内への潜入を試みる。
当日は激しい雨に降られながらも、雨が音を消すことを潜入のメリットとし実施。門の前に立つ見張りの武士の目を掻い潜り、屋敷に潜入し、ドンデン返しや隠し扉を確認。途中、偵察に訪れる見張りに見つからないよう、うずら隠れや観音隠れなど教わった忍術を実践しつつ、忍び足や蛇歩きで奥へと進み、ついに巻物を見つけるも、再び現れた見張りと対峙することに。モニターは、目潰しや捕縛術などの連携プレーで武士を捕縛し、無事に伊賀流忍者博物館を後にして、ミッションを完了させた。

 
【19:00:ディナー】伊賀市 NIPPONIA HOTEL 伊賀上野 城下町 旧野崎邸
無事に潜入ミッションを終えたモニターはホテルに戻り、ディナーを。メニューは鍋に見立てたポトフを中心に、身体に優しいラインナップで。

 <3日目>11月27日(水)
 

 
【8:30:エンディング】伊賀市 伊賀上野城天守
最終日の朝、前日の潜入ミッションで手に入れた巻物を、殿様に献上すべく伊賀上野城へ向かう。最上階で待機しているところに殿様が現れ着座すると、手にした巻物を確認し満足な笑みをこぼす。このミッションの成果と伊賀甲賀の旅の記念として土産物を授かり、忍者の真実を知る旅の体験を終える。

 
【9:15:朝食】
潜入ミッションの報告を終え、モニターはこの日の朝食会場となる登録有形文化財の赤井家住宅へ移動。武家屋敷の美しい庭園を眺めながら、旅の疲れをとり、一日の活力になる朝食を楽しむ。

 
【10:00:城下町散策】 伊賀上野城下町
旅の最後にツアーナビゲーターと共に城下町を散策。店舗にも立ち寄り、旅の思い出に現在の伊賀上野の城下町の魅力を追加。

■ BEAMS JAPAN監修による伊賀甲賀の土産物
本プログラムの目的である忍者の真の姿である「半農半忍」に即した、BEAMS JAPAN監修の伊賀と甲賀の特産品セットを参加者へのお土産物とした。
 

  • 伊賀&甲賀ティーセット
    • 香山窯 特注伊賀焼茶器5点セット
    • みはる窯 特注信楽焼茶器5点セット

Roots Herb School 様々な効能を持つハーブティーのティーバッグ6種セット(和英のレシピ付き)

※上記をそれぞれ桐箱に入れ、松島組組紐店の組紐で装飾

  • 伊賀&甲賀 厳選“美容と健康”セット
    • shumushumu 日本酒入浴剤
    • アヤマNOSAN 鞆田のつづみ 2合
    • 花咲かりん 伊賀市産米粉の菓子6種セット
    • ninjaroma ヒノキアロマセット
    • みのり産業 黒影米 100g
    • 田中酒造 甲賀流白玉爆弾 ポルポローネ

※上記を紙の化粧箱に入れ、松島組組紐店の組紐で装飾

 今回のモニターツアーを通じて、参加者から高い評価を得ることができ、忍者文化への関心をより深める機会となりました。今後は本プログラムをブラッシュアップし、ツアーの実施を現実のものとすることで、忍者文化の認知を拡大するとともに、伊賀・甲賀を中心とした忍者ブランドの強化、また忍者文化を活用した新たな観光資源や商品開発を推進します。

忍者は日本が誇るべき文化的資産です。そのキャラクター性に加え、歴史や精神性を掘り下げて伝えることで、国内外の人々に新たな価値を提供できる可能性を秘めています。本モニターツアーを契機に、伊賀・甲賀が「忍者の聖地」として世界的な認知を得ることを目指します。


■モニターツアーの動画はこちらから

■実施主体 忍びの里伊賀甲賀忍者協議会

(伊賀市、甲賀市、伊賀上野観光協会、甲賀市観光まちづくり協議会、信楽町観光協会)

 
■協力事業者

 株式会社 バリューマネジメント

 株式会社 ビームスクリエイティブ

 株式会社 Ninjack

 うぶすな 三橋源一

 Roots Herb School 竹中島みちよ

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