2019年03月07日
日本遺産シンポジウムを開催しました。
日本遺産シンポジウム「家康決死の逃避行-影で支えた伊賀・甲賀の忍者たち-を平成30年2月23日、三重大学教育学部・藤田達生教授と小説家・和田竜さんをお招きして忍の里プララ(甲賀市甲南町竜法師)で開催しました。
伊賀市・甲賀市はもとより、県内・県外、遠くは福島県から定員500人の会場へ約450人の方にご参加いただき大変賑わいました。
基調講演では、藤田教授に「忍びの国と神君伊賀・甲賀越え」をテーマに、現存する史料を元に伊賀・甲賀の忍者について、また神君伊賀・甲賀越えのルートの3つの説について解説していただきました。
つづいて、藤田教授と和田さんとの基調対談「『忍びの国』の魅力」では、和田さんが執筆した天正伊賀の乱を題材とした小説「忍びの国」を中心に、戦国時代の武将たちとは少し異なる倫理観を持っていた伊賀・甲賀忍者の気質の考察が行われました。
冒頭、「忍びの国」の紹介映像が上映され「伊賀に住むのは、人でなしの忍者衆」とナレーションが流れると聴衆からは笑いが漏れました。また、他の戦国武将と一線を画したという点では村上海賊とも共通するところがあるなど忍者だけでない、戦国時代の魅力についてのお二人の対談に興味深く聞き入りました。
最後に「家康の逃避行と伊賀・甲賀」と題したパネルディスカッションでは、藤田教授をはじめ、一社)伊賀上野観光協会の廣澤会長、伊賀中世城館調査会の福井顧問、甲賀市観光協会の小山会長、甲賀忍術研究会の杉田会長らがパネリストとして「家康の逃避行」をモチーフにした伊賀・甲賀地域の観光の魅力や観光戦略について語られました。
パネルディスカッションのあとは、岩永甲賀市長(伊賀甲賀忍者協議会会長)と岡本伊賀市長(伊賀甲賀忍者協議会副会長)が登壇し、忍者をテーマとした更なる観光の推進と地域の活性化について想いを述べられました。
会場となったプララのホワイエ空間には「忍びの里伊賀・甲賀」をはじめ、日本全国の日本遺産認定地域から提供いただいたパンフレットなどを配布する日本遺産情報発信ブースを設けました。多くの方に手に取っていただき、日本遺産の魅力に触れていただくことができました。